がんについて知る

主治医との関わり方

がん患者と主治医とのコミュニケーション

目次

  1. 主治医と率直に話せるように
  2. 主治医とのコミュニケーションのコツ
  3. 主治医との関わり方が上手くいかない場合


主治医と率直に話せるように

医師は多くの患者さんを診なければならないため、診察室が混み合ったりしていると、痛みなどがあっても聞きにくいこともあるでしょう。しかし、医師にとって一番の情報源はあなた自身です。痛みの強さや痛む場所、薬が効いたかどうかの感じ方は、あなた以外の誰も知ることができません。

医師は、あなたから聞いた情報を基に、原因を明らかにすると共に治療方法を決めていきます。ですから、医師に「私の症状を伝えたら忙しくさせるんじゃないか」と遠慮したり、「悪い患者と思われたくない」などと考えたりせず、ありのまま症状を伝えて下さい。

そうすることで、徐々に主治医とあなたとの関係性が深まり、コミュニケーションがとりやすい関係性が構築されていくでしょう。

とはいえ、「医師と仲良くしなくてはいけない」と意識過剰になる必要はありません。世間話でも交えながら、少しずつ距離を縮めていくことができれば、主治医に検査・治療方法・日常生活の過ごし方や不明点を聞きやすい環境がきっとできるはずです。

主治医とのコミュニケーションのコツ

限られた時間の中で、主治医に病気や症状について上手く質問するにはどうすればよいでしょうか。
手順はおおよそ次の通りになります。
 ①日頃からできるだけ病状のメモをとる習慣をつける
 ②あらかじめ質問したい事項のメモを書き、主治医に渡す
 ③主治医から説明をうけたことをメモしてから、主治医に質問する
 ④質問項目はできるだけ5つ以内にする
 ⑤家族など信頼できる人に、一緒に診察室で話を聞いてもらう
 ⑥主治医の許可がとれれば、スマホやICレコーダーで録音する

痛みがある場合には、具体的に、いつから痛みが出るのか、痛みの場所はどこか、どれぐらい痛みが続いたかを記録する日記を継続的につけると、痛みがどのように変化していったかや、特徴が見えやすくなります。2週間、1カ月と続けて日記をつける努力をしてみてください。

日記をもとに、主治医に質問したいことを事前にメモしておきましょう。限られた時間で回答してもらう時に、そのメモが役立ちます。

その際、病状について不安や心配な点を全て書き出したい気持ちはわかりますが、特に質問したい内容5つぐらいに絞るようにしましょう。

そうすることで、頭の中が整理できますし、主治医も効率的にあなたの質問に答えられ、お互いスムーズにやりとりができると思います。

もしメモを取り忘れたり聞きもらしたりした場合、主治医に「もう一回説明して下さい」とは言いづらいかもしれません。

そんな時のために家族など近しい人に付き添って一緒に話を聞いてもらい、あなたと2人体制でメモをとるのも1つの方法です。

誰も一緒に行く人がいない場合は、「メモの取り忘れがあると困るので」と、主治医の許可をとった上で録音するという手もあります。あなたにとって大事な話ですから、「聞いたことを、忘れることのないよう、しっかりと確認したいため」と目的もしっかりとお伝えすれば、主治医に録音を断られることはまずないので、勇気をもって聞いてみてください。

主治医との関わり方が上手くいかない場合

主治医と治療方針が合わない、コミュニケーションがとりづらい、自分の気持ちを理解してもらえないと感じるケースがあるかもしれません。

そういう時は看護師など医師以外の医療スタッフや、病院の中の患者さん向けの相談窓口、がん相談支援センターなどで話を聞いてもらいましょう。質問したいことを整理してくれたり、「こう話せばわかってもらいやすい」などのアドバイスがもらえます。場合によっては主治医と話すときに付き添ってくれたり、主治医と関係性が上手くいくように一緒に話し合ってくれるなど、間を取り持ってくれることもあります。

もし治療方針に納得がいかない時は、主治医と違う医師に意見を聞くことができ、これをセカンドオピニオン(がん患者のセカンドオピニオン)といいます。

【参考文献】
国立がん研究センター がん情報サービス(外部サイト)
日本緩和医療学会「患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド」(外部サイト)
※別ウインドウで開きます

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監修者
勝俣 範之
医師・がん薬物療法専門医 日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 教授

1963年山梨県富士吉田市生まれ。1988年富山医科薬科大学医学部卒業後、徳洲会病院で内科研修、国立がんセンター(現:国立がん研究センター中央病院)で、レジデント、チーフレジデント、内科スタッフ、医長を歴任。腫瘍内科学の推進、啓発、教育に従事。研究面では、婦人科がん、乳がんの薬物療法の開発、臨床試験に携わる。2011年10月より、20年間務めた国立がん研究センター中央病院を退職し、日本医科大学武蔵小杉病院で、腫瘍内科を立ち上げた。診療・教育・研究の他、がんサバイバー支援にも積極的に取り組んでいて、正しいがん情報の普及を目指して、ブログ、ツイッター、フェイスブックを通し、情報発信している。近著に「医療否定本の嘘」(扶桑社刊)、「世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療」(ダイヤモンド社刊)がある。 所属学会:日本臨床腫瘍学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本内科学会、American Society of Clinical Oncology