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  • 肺がん・肺腫瘍

2013年9月 転移・手術

副腎への転移が判明

術後は手術痕を確認してもらうなど頻繁に通院をしていましたが、徐々に間隔が空くようになり、気付けば通院のペースは3ヶ月に1回ほどになっていました。

しかし2013年6月、腫瘍マーカーが上がっていることが分かり、その頃からCTやMRI検査を再開。6月の検査では何も映っていませんでしたが、その後も腫瘍マーカーが上がり続けたため、7月下旬にもCTを撮ったところ、副腎への転移が分かりました。

肺から副腎への転移が多いこと、原発の副腎がんが珍しいこと。これらを踏まえて私の副腎がんも、おそらく肺からの転移ではないかと主治医からは説明を受けました。
転移がわかったときは、最初に告知を受けたときよりもショックでした。

遠隔転移ですし状況的にもかなり厳しいことがわかりました。さらに最初にがんになったときから、がんについてはかなり勉強していました。肺がん(国立がん研究センターがん情報サイト「肺がん」)のステージⅣがどういうものか理解していた分、とても落ち込みました。

治療方針に納得できず、主治医に相談した

主治医からは抗がん剤治療を提案されましたが、私は手術治療を希望しました。

主治医としては、最初の手術から1年以内の転移なので、その後も転移する可能性が高いだろうと判断し、抗がん剤治療を勧めてくださったようです。

私はどうしても切って欲しかった。主治医は手術を望む私に難色を示しましたが、あまりにも私が折れなかったので泌尿器科との合同カンファレンスにかけてくれることに。

普段お世話になっている呼吸器科内では私の今後の治療は抗がん剤で行くと決まっていたそうですが、結果的に「副腎なら切ってもいいんじゃないか」と、泌尿器科の先生からGOサインが出たので、手術を受けられることになりました。

副腎の手術のほうが身体への負担は軽かった

2013年9月、副腎にできた腫瘍の切除手術を受けました。入院期間は10日間ぐらい。肺の手術に比べれば軽いものだったと思います。副腎の場合はそんなに大きく切らなかったので。前回はかなり大きな傷跡でしたが、今回は10cmほどでした。

術後も、前回は左右両方から大量の管につながれたのが、今回は2本程度。そういう意味では肺に比べて副腎の手術の方が、身体への負担は軽かったですね。
この副腎の手術を受ける前後は、ステージⅣという状況もあり、色々と考えることもありました。

私は一時給付金で車を買っていたのですが、そのことを後悔しました。がん保険に加入していたので一時給付金が出たのですが、前回の術後にステージⅠBと言われたので、診断給付金を車の購入に当てていたんです。あの時にステージⅣのがんを経験すると分かっていたら、使わずに残していたと思いますね。

後は時間の使い方が変わりました。家族との時間を大切にするようになったと思います。それまでよりも、子供とも遊ぶようになった気がしますね。

再発後は休職せずに働いたが、営業成績は厳しかった

この時期は治療と並行して、仕事も続けていました。

肺がんと分かってからすぐに休職し、2013年3月に復職。それ以降、再発が分かってからも休職はせずに働いていました。

もちろん再発については上司に共有しています。上司には「また見つかっちゃいました」と、副腎への転移を伝えました。状況的にはかなり厳しいということも話したと思います。その時に「厳しい」と伝えたのは「配慮をして欲しい」という気持ちも込めていたかな。上司からは「あまり会社の事は気にせず治療を頑張ってくれ」と言われましたね。

私が従事していた営業という仕事柄、チームプレーが必要な場面が少なく、同僚に支援を求めることはあまりなかったです。ただ全くないかと言われるとそうでもなく、支援が必要なときは、事務所にいるメンバーがフォローしてくれたと思います。自分が休みがちになったときには、仕事を引き継いだ同僚に、さりげなくメールでギフト券を送っていました。同僚からは「全然気にしなくていいよ!」とは言われていたんですけどね。

職場の人間関係という面ではあまり問題はありませんでしたが、自分自身の営業成績的には結構厳しいものがありましたね。

日常の異変を感じ病院へ

2013年10月、脳転移が分かりました。

転移が分かったきっかけは、日常生活でのちょっとした異変です。

ある日、車を運転していたときに、なぜか左側に車体が寄っていたことがあったんです。その後も、普段は上手に駐車できるタイプなのに、なぜかその日は曲がっていたり。気付けば右手にあまり力が入らなくなり、その後はしびれの症状が出て、最後には靴紐も結べなくなってしまいました。これらの出来事が、たった2、3日の間に起きたんです。

これはさすがにまずいと思い、すぐに主治医に電話をしました。

主治医に症状を伝えると、はやく病院に来てくださいと言われ、電話の後すぐに病院へ向かいました。その日もいつも通り2時間ほどのバスに揺られ病院へ。今思い返せば、あのときはまっすぐ歩けてもいなかったかもしれません。

脳への転移が判明

病院に着いてすぐに脳のMRI検査を受けました。3.5cmぐらいの脳腫瘍が見つかり、脳への転移が判明しました。

主治医は、MRI画像に写る脳腫瘍を指差し「これが神経を圧迫しているから、いまの症状が出ています」といった説明をしました。ただ、家でけいれんしなくて本当に良かったと言われて、たしかにそうかもしれないと思いました。

その日は、着の身着のままの状態で病院にやってきましたが、そのまま入院することになってしまいました。当日は病院にいても落ち着かなかったです。じっとしてられないような感じでした。

症状の原因が特定できるまでは、とても不安でした。症状的にも脳に何かが起きているという自覚はありましたし、あまりにも急速に症状が進んでいましたからね。家を出るときにはもう二度と戻って来られないのでは、という気持ちもありました。
 

ガンマナイフによる治療を受けることに

脳転移が分かってからガンマナイフの設備がある病院に転院しました。ガンマナイフによる頭への局所放射線治療ができる病院です。

通院しているがん専門病院にはガンマナイフの設備がなく、主治医から紹介された別の病院に転院。ガンマナイフで脳腫瘍の治療をしました。

脳腫瘍のサイズが大きかったので、3回に分けて取ることになりました。初回は3週間ほど入院。それ以降は退院後2〜3週間後に2泊3日で2回目、また3週間後ぐらいに2泊3日で3回目というスケジュールでした。

3回目の治療が11月頃に終わり、ガンマナイフによる治療終了に伴い、元々通っていたがん専門病院に戻ってきました。

脳転移が分かってからガンマナイフの治療を受けるまで2週間ほど時間が空いたのですが、その間はステロイドを処方してもらいました。おかげでむくみなどが消えて症状が改善。さらにその後のガンマナイフも効果があり、みるみる元気になりました。

正直、ガンマナイフがここまで効くとは思っていなくて良い意味で意外でしたね。家を出るときの症状があまりにもひどかったので、こんなに簡単に……と言っては変かもしれないのですが、ガンマナイフ治療の効果には驚きました。

脳転移で感じていた不安も、徐々に薄れていきました。最初は脳転移の症状がかなり進んでいただけに、治らないかもしれないと勝手に悪い方へイメージを膨らませていましたが、症状の改善に伴い、気持ちが落ち着いていきました。
 

Hatch Healthcare K.K.

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