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  • 胃がん・胃腫瘍

2018年11月 一回目の腹腔鏡手術

腹膜への転移が発覚…。開腹だけで手術が終了、ショックが隠せなかった

手術前日に入院。ギリギリまで仕事に専念していた

入院日は11月27日。ギリギリまで仕事をしていて、手術前日の入院でした。

一晩ぐっすり寝て、手術は朝9時から開始。大体5、6時間かかると説明されていたので、目が覚めるのは午後3時くらいだろうなと思って手術に臨みました。

ところが私の目が覚めたのは午後1時くらい。想像していた時間よりも早いな、と不思議に思ったことをよく覚えています。病室のベッドに横たわっていたのですが、妻も両親もいません。自分一人、病室に取り残されているような状況でした。

結局手術が上手くいったのかどうかもわからない状況。どうなっているんだろうと、あまりいい気持ちはしなかったです。丁度この時、妻と両親は主治医から腹膜播種国立がん研究センターがん情報サービス「腹膜播種」)要は腹膜に転移していることを告げられていたようです。「本人にも告げますが大丈夫でしょうか」という話をしていたようですね。

手術中に転移発覚。開腹しただけと知りショックを隠せず

目が覚めてから1時間ほど経った頃でしょうか。主治医と両親、妻が病室に来て、主治医から手術開始後すぐに転移が見つかったとを告げられました。

それを聞いて、目が覚める時間が早かった理由がわかりました。主治医が学会に出席するため地方へ行かなければいけないとのことで、今後の治療についてその場でゆっくりと話すことはできませんでした。主治医から「明日の夕方に戻ってきますので、その時にゆっくりと話をしましょう」と声をかけられました。

転移が見つかり、開腹だけで手術が終わるという結果は全く予期していなかったので、非常にショックでした。妻と両親もショックを受けている様子。妻が席を外し両親と三人になった時間帯もあったのですが、お互い何を話したらいいのかわからずほとんど無言のまま時間が過ぎてしまいました。

抗がん剤治療を勧められる。治療法があると知りホッとした

手術翌日はひどく落ち込んでいました。

朝起きても何もやる気が起きず、今後のことは何一つ考えられませんでした。今振り返ってみると、転移があったことはかなりショックだったんだと思います。ステージもⅠから最高ランクのⅣに一気に上がってしまいました。

そもそも当初の予定では、1週間ほどの入院・手術を経て、退院したら1週間ほど引継ぎ業務をして有給消化を経て退職。溜まっていた有給を家族との時間に当てて、新年からは新しい職場で働くといったことを想定していました。

転移していたので自分の描いていたイメージ通りにスケジュールは進まない。ベッドに横たわって天井を見ながら、俺この後どうなるのかな?これまでの人生って何だったんだろう?そんなことが頭に浮かんでは消えていました。

この日の夜、主治医が病院に戻ってきました。夜8時くらいに私の病室にふらっといらっしゃったんです。妻と子どもも病室にいました。個室に入院していたのですが、そこに来て結構ラフに話をされた印象がありました。

今後の治療については抗がん剤の投与を勧められました。医師からは、抗がん剤のメリット・デメリットを説明され、この時に自分がこれから何をすればいいのか、ルートを示された感じがしました。とにかく治療法があることが分かって、まだ自分には生き延びる方法があるんだなと、ホッとした記憶があります。

もう一つ気になったのは仕事です。抗がん剤治療と仕事の両立が可能なのかどうか。転職先で働くことができるのかどうなのか。副作用にはどのようなものがあるのか。この先の自分の可能性、選択肢を知りたかったんです。医師からは、副作用の出方を見ながら一緒に考えていきましょうと言われました。

今後の仕事への不安。働き方が想像できず悩んだ

入院期間は当初の予定通り1週間でした。

退院後は退職に向けて仕事の引継ぎ。仕事のために新しく何かをする必要もなく、平日の夜や休日を比較的に自由に使える時間がありました。抗がん剤について調べたり、抗がん剤を投与されている方のブログを読んだり。情報収集と今後の治療についての勉強に時間を費やしました。

仕事面に関しては正直悶々としていました。憧れのスポーツ業界に足を踏み入れようとした矢先のがん発覚。内定取り消しの可能性もあるんじゃないか。自分が逆の立場だったら、採用しないかもなあとか考えたり。自分自身も初めての経験で今後の働き方について見通しが立たず悩むことしかできませんでした。

自分自身の体がどうなるかわからない不安と、どのような働き方で何ができるのかわからない不安は常に頭の片隅にありました。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

新型コロナウイルスの影響によりテレビ会議を用いて取材を行ったため、写真は後日追加予定です。

Hatch Healthcare K.K.

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