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2011年7月 左肺抗がん剤

2クール目の副作用は、吐き気、強い便秘、脱毛、口内炎、骨髄抑制

2クール目からは、自宅からの通院治療に切り替わり、気持ち的にはかなり楽になりました。ただ、抗がん剤の影響で身体が弱ってきたためか、吐き気は2クール目の方が強く、それ以外にも腸の動きが鈍くなった影響で、便秘にとても悩まされました。便秘絡みの話では、ある日抗がん剤の点滴を受けて自宅に帰った夜、冷や汗をかいてのたうち回るほどの強い腹痛が出てしまったことがあったんです。抗がん剤の副作用が出たのかと思い、救急車を呼んで入院していた病院に行ったのですが、結局はただの便秘による痛みでした。お昼に飲んだ便秘薬が夜中に効き始め、腸が蠕動運動を始めたことで痛みが出たようです。1週間分の便が腸に溜まっていたので、痛みが強く出てしまったそうなのですが、人生初の便秘だったこともあって、とても辛かったです。

また、抗がん剤の副作用で広く知られる脱毛ですが、もともと受けた抗がん剤の説明では、脱毛になる確率は低いと聞いていたので、脱毛の症状が出たことには少し驚きました。毎朝枕についている大量の髪の毛を見たり、洗髪時にごっそり抜ける髪の毛を見るのは、あまり気持ちのいいものではありませんでした。
 

体力を落とさないために、副作用が続くなかでもできるだけ歩くことを心がけた。

2クール目の後半からは骨髄抑制の副作用が出始めました。それ以降、通院も毎週に。抗がん剤による骨髄抑制で白血球の量が減少、感染症を起こしやすい状態になるので、医師からはなるべく人に会わないようにと言われました。そのため、日中はマスクをして自宅で過ごす日々。行動制限があるという意味では、骨髄抑制の副作用が一番辛かったです。

この頃は胸の不快な痛みも相変わらず続いており、体調もあまりよくはありませんでしたが、医師からはなるべく歩くように言われていたので、家にいるときもなるべく歩くようにはしていました。

3クール目以降は徐々に体力が落ちている実感があった

抗がん剤の治療では、副作用の出方は人によって異なるようですが、僕の場合、大きな体調の変化はないものの、体力低下に伴い2クール目に感じていた吐き気などの副作用がどんどんきつくなっている実感がありました。1日中、ソファーで横になっていることも多く、辛そうにしていると、子どもや妻が「大丈夫?」といつも声をかけてくれたのが嬉しかったです。

薬の副作用で口内炎も出ていたので、塗り薬を使って炎症を抑えていました。感染症予防のためにも口腔内を清潔にするよう医師からは言われていたので、日頃からこまめなブラッシングを心がけていました。他にも医師からはとにかく食べられるものを食べるようにと指導されていました。吐き気と口内炎で食欲が湧かないので、当時の主食はアイスやゼリー、蕎麦。ご飯の匂いで気持ち悪くなり吐き気がすることも何度もあったので、妻からはつわりと同じだね、と言われたりもしました。

 
4クール目の副作用は手足のしびれ

4クール目の終わり頃になると、手足にしびれを感じるようになりました。手の指はジーンと痺れ、足は感覚が麻痺するような状態が続き、医師からは末梢神経障害と言われました。症状を緩和する薬を飲んでいましたが、感覚麻痺がある足は、怪我をしても気づかないことがあるので、注意するようにと先生から忠告を受けました。

4クールすべての抗がん剤治療が終わってからは3〜6ヶ月間隔で定期検査、再発などがないか、その後の経過をみていきました。

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。
 

 

左肺抗がん剤

左肺抗がん剤

仕事に復帰

2011年、札幌に単身赴任中に左肺がんの告知を受ける。以後、2013年に膵臓がん、2017年に右肺がんと3度の原発性がんを経験。闘病生活を支えてくれたのは、人とのつながり。がん患者の体験談や闘病記は、この痛みを感じているのは自分だけではないことを、職場復帰は自分の存在を受け入れてくれる居場所があることを教えてくれた。

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