ふたりの子どもの出産・親の介護。治療とダブルケアを同時期に経験した私が伝えたいこと
2014年8月に第一子、2017年9月には第二子を出産しました。
第一子の妊娠中、何度か脳梗塞を発症していた父が、誤嚥性肺炎で危篤状態に。私以外に看病できる親戚はおらず、臨月で大きなおなかを抱えたまま、病室に泊まり込みで看病をしていました。もういつ生まれてもおかしくない状態だったので、合間には産婦人科に通うなど、当時は大変でした。
そのような状態でしたが、第一子が生まれて以降、父は劇的に回復。なんとか初孫の顔を見てもらうことができました。
主述の後遺症がある中での妊娠・出産・子育てについては、SNSの甲状腺がんコミュニティに大変お世話になりました。やはり経験者の方の声は大変参考になりました。
ベビーダンスインストラクターの経験を経て今
出産後、赤ちゃんを抱っこしながらリズムに合わせて踊るエクササイズ「ベビーダンス」のインストラクターとして活動していました。
きっかけは産後、周囲の人に手厚くお世話してもらったこと。私は一人っ子で、父は脳梗塞で長く施設におり、母は早くに亡くなり、実家の支援のない中での妊娠・出産でした。
ですが、人に恵まれ、周りからのケアがしっかりあり、あまり孤独を感じることもありませんでした。
とはいえ、地方ではまだまだ都会ほど産後の母子ケアの制度が整っておらず、必要性を感じていました。産後のお母さん、赤ちゃんと遊んだり、産後のお母さんがリフレッシュできるようなストレッチをレクチャーしたり、自治体や企業に呼ばれて講師として活動したりすることもありました。
現在はフリーで親子あそびの講師として活動をしています。
書道の先生としての仕事はオンラインで指導することもあったのですが、現在は高校の先生として仕事に復帰。芸術科目の書道を教えています。
時々、書道講師として地域の子どもたちに向けたイベントに呼ばれることもあります。
子育てをしながら、自分の好きなことに取り組めている今の環境はとてもありがたいです。
SNSで発信していきたい「あなたはひとりじゃない」
私は甲状腺がんの治療のほかにも、妊娠・出産や親の介護の時期が重なるダブルケアを経験しました。今後はそういう方が増えていくのではないかと考えています。
今ではそうした負担を軽減してくれる施設やサービスがたくさんありますので、一人で抱え込まないでほしい、と切に願っています。私もSNSでさまざまな方から支援を受けてきました。これからは自分のがん体験や介護・子育て経験を発信し、「あなたはひとりじゃない」と伝えていきたいです。
現在
27歳の頃から倦怠感などに悩まされ、30歳の時に甲状腺がんが発覚。がんの手術、転職、結婚、父の介護、自身の出産といったライフイベントが重なる。2児の母。(インタビュー・掲載時の情報です)