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2012年6月 抗がん剤治療

抗がん剤治療で3ヶ月入院。副作用よりも苦しかったのは「管のある生活」

長期入院。治療に不安はないが、仕事では心残りも

抗がん剤治療は全部で3クール行いました。治療に関して特に不安はありませんでしたが、長期入院だったので妻には心配を掛けてしまったなと。できることなら妻の不安を取り除いてあげたかったので、「入院期間は長いけれど、これから行う治療は効果的なものだから安心してほしい」と入院前には伝えました。

入院期間は6月4日~8月17日。その期間は休職扱いでした。転移発覚からすぐに入院をしたので、仕事の引継ぎが不十分だったとは思います。ただ、上司も私と同じタイミングで東京から大阪に転勤になっていたので、これまでの経緯を知っている分、話はスムーズでした。

前もって、何月何日から入院するということが分かっていれば、職場のメンバーにも事前に伝えられたのかなと思います。3ヶ月以上も休むのに、職場に対して直接何も伝えられなかったことは心残りでしたね。

副作用は辛くなかった。点滴の管が気になり眠れない日も

抗がん剤治療もあくまで標準治療なので、予想外の展開もなくガイドラインに沿った治療が行われているという感じがしました。ただ、抗がん剤の副作用で腎機能障害が起きる可能性があるので、腎機能が正常かどうかは常にチェック。そのため抗がん剤の点滴が終了した直後に利尿剤も点滴で投与していました。尿意を催すとトイレに行って尿器に畜尿、測定する機械に入れる必要があり、利尿剤直後は特に忙しく感じました。

副作用は、吐き気や脱毛など一般的なものです。あとはしゃっくり。とはいえ全体的によくコントロールされている感覚があり、辛くて仕方なかったという感じではありませんでした。

もし抗がん剤治療中で苦しかったことを挙げるとすれば、ずっと点滴が繋がっていたことでしょうか。どうしても取れる姿勢に制限が出てきてしまうんです。これは本当に個人的なことなのですが、私はうつ伏せでしか寝れない体質で…。病院のベッドは当然仰向けで寝るようになっており、最初はなかなか眠れなかったですね。うつ伏せで寝ようにも、点滴の管が抜けたらどうしようとハラハラしていました。ただこれも時間の問題で、点滴に慣れると上手にうつ伏せで寝る方法がわかり、それからはゆっくりと睡眠がとれるようになりましたね。

治療効果は抜群。手術はせずに退院

抗がん剤治療の効果は大きかったです。CT画像を撮る度、腫瘍がどんどん小さくなっていました。自分の感覚ではわかりませんでしたが、CTの結果に励まされましたね。確実に良くなっている実感があったので、前向きな気持ちでいられました。

十分腫瘍が小さくなったので、手術はせずそのまま退院することになりました。

職場復帰。産業医と決めたルールで無理なく働く

抗がん剤治療で下がっていた白血球の数値も回復。8月17日に退院しました。入院中のバリアフリーな生活に慣れてしまい、少し階段を上った程度で息が切れるほど体力が低下。時期的にも真夏だったので、復職後もこれまで通り通勤できるか心配でした。

私の会社には健康管理室があるため、復職にあたって産業医との面談をしました。面談ではフルタイム勤務に向けた勤怠ルールを策定。出社時間をずらしたり、残業時間の制限をしたりと、どの程度であれば無理なく働けるかのすり合わせを行いました。

実際に職場復帰をしたのは、9月に入ってからでしたが、周囲は相変わらず忙しそうでしたね。私はその中をサーっと帰っていくような感じ。個人的には、もうちょっと働けるのに…とも思いましたが、健康管理室からストップがかかっていたので、気持ち的には割り切れていましたね。

仕事以外ではこの時期にちょうど、所属していた社会人オーケストラの演奏会がありました。私は入院していたため、演奏こそできませんでしたが、できる範囲でお手伝いさせていただきましたね。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

後腹膜リンパ節転移判明

抗がん剤治療

後腹膜リンパ節再発

2011年、東京へ転勤のタイミングで精巣腫瘍が発覚。手術により一週間程度で職場復帰するも、翌年大阪への転勤に伴う転院先で後腹膜リンパ節に転移が判明する。その後、再発、転院、リンパ節郭清手術を経験。闘病を通して、支えられて生きていることの幸せさに気がついた。

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