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大腸がん

大腸がんの治療後の療養生活と経過観察の基礎知識

目次

  1. 大腸がん治療後の後遺症とその対策
  2. 手術後の仕事復帰に向けて備えること
  3. 経過観察は何年続けるのか?

大腸がんの治療後の療養生活と経過観察の基礎知識
大腸がん治療後の後遺症とその対策

患者さんがどういう治療を受けたかによって、治療後の後遺症の程度は異なります。それぞれの治療後について見ていきましょう。

・内視鏡治療を受けた場合
内視鏡治療では、治療前に比べて大腸の機能が大きく損なわれることはあまりないので、治療後1週間もすれば治療前と同じような日常生活を送ることができるようになることが多いようです。できるだけ規則正しい生活を送り、適度な運動、禁煙、バランスの取れた食事を心がけましょう。

・手術を受けた場合
大腸がんの手術後、大腸の働きが低下することで便秘や下痢の症状が続く場合がありますが、時間の経過とともに症状が治ってくることがほとんどなので、予防と対策をとりながら回復を待ちましょう。あまり症状がひどい場合は医師に相談してください。
規則正しい生活を心がけながら、毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけるといいでしょう。また、便意を覚えたら我慢しないように。外出する時はトイレの場所をあらかじめ確認しておき、下着の中に失禁用のパッドを敷いたり、替えの下着を用意しておくと安心です。

回復を促すためには、ウォーキング、ストレッチといった軽い運動を心がけ、こまめにからだを動かすことも大切です。ただし、手術後数カ月の間は腹筋を使うような激しい運動は避けましょう。

なお、手術後の食事については「大腸がんの手術後、食生活や病気の予防について気になること」を、人工肛門(ストーマ)を増設した場合の日常生活については「大腸がんで人工肛門(ストーマ)になると生活はどう変わるの?オストメイトってなに?」を参照してください。

・放射線治療を受けた場合
放射線治療の場合は吐き気や嘔吐、下痢、肛門痛、下血、血尿、頻尿、排尿時痛といった副作用の症状が現れることがありますが、多くの場合、治療後1カ月ほどで改善します。なお、治療後数カ月経ってから、腸・膀胱の炎症や骨盤骨折といった「晩期副作用」が起こることもあります。普段と違う症状が見られたら、必ず担当医に相談してください。

・薬物療法を受けた場合
薬物療法の場合は、下痢、食欲低下、味覚障害、口内炎といった副作用によって食事がしにくいことがありますが、水分を十分に摂取することを心がけながら、体調を見て少しずつ食事量を増やしていきましょう。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動も回復を促すのに役立ちます。

手術後の仕事復帰に向けて備えること

医師から特別な指示がなければ、療養生活中も発病前と同じように日常生活を続けることができます。内容にもよりますが、仕事もできますし、旅行にもいけます。とはいえ無理は禁物なので、徐々に外出の機会を増やすなど、体調を見ながらゆっくりからだを慣らしていきましょう。

いつから仕事に復帰できるかは、治療方法などによっても変わってきます。手術した場合、体力仕事は術後1~3カ月、デスクワークは1カ月以内に復帰できるケースが多いようですが、もちろん回復には個人差もあります。
薬物療法や放射線療法は通院治療になることが多いので、仕事と両立できるよう、勤務先の制度なども確認した上で周囲の理解を求めておきたいものです。「がんの治療と仕事を両立するためにはどうすればいい?働く人が確認しておきたいこと」「がんの治療と家事・育児の両立」も参考にしてください。


くれぐれも1人で抱え込まず、医師や医療スタッフ、上司や同僚、家族とよく話し合って復帰の計画を立てましょう。

経過観察は何年続けるのか?

治療がひと通り終わった後は、再発や転移を早期に発見するためにも定期的に通院して経過観察を行います。頻度や期間は患者さんそれぞれの状況によって異なりますので、主治医に確認することをお勧めします。もし体調が悪くなった場合は、受診日にかかわらず病院へ行きましょう。

一般的に、がんの再発がない場合は5年を目安に経過観察を続けます。最初は1〜2週間ごと、次に1カ月ごと、2カ月ごとのようにだんだん間隔が長くなります。手術後は3カ月ごとの血液検査や6カ月ごとのCT検査を行い、定期的に大腸内視鏡検査も行います。5年目以降は年1回の経過観察が勧められています。

【参考文献】
「国立がん研究センターの大腸がんの本」(小学館)
国立がん研究センター  がん情報サービス(外部サイト)
※別ウインドウで開きます
 

Hatch Healthcare K.K.

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