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大腸がん

大腸がんの手術後、食生活や病気の予防について気になること

目次

  1. 手術後の食べ方の工夫と避けた方がいい食品
  2. お酒やコーヒーなどは飲んでもかまわない?
  3. 外食する時の注意点
  4. 手術後に気をつけなければいけない病気は?

大腸がんの手術後、食生活や病気の予防について気になること
手術後の食べ方の工夫と避けた方がいい食品

大腸がんの手術後しばらくの間は下痢や便秘を起こしやすい状態が続きます。原則として退院後の食事制限はありませんが、排便の状況と体調を見ながら食品を選び、食べ方を工夫しましょう。

退院直後は一度にたくさん食べずに、数回に分けて少しずつ食べ、徐々に食事量を増やしていきます。消化の良いものを中心にバランスよく、ゆっくりよく噛んで食べることを心がけ、食べすぎないように注意してください。朝・昼・夜と時間を決めて規則正しく食事をすることも大切です。

消化の良い食品としては、おかゆ、やわらかめのご飯、うどん、豆腐、卵、乳製品などが挙げられます。繊維の多いもの(わかめ、きのこ、こんにゃく、牛蒡などの野菜)は退院後すぐは避け、日常の食事に慣れてきたら細かく刻んで柔らかく煮るなどの調理をして少しずつ食べるようにしましょう。
いも類や炭酸飲料などガスが発生しやすい食品や、揚げ物など油脂を多く含む食品、香辛料などの刺激が強いもの、冷たすぎるもの、熱すぎるものも下痢を引き起こしやすいので、しばらくの間は避けてください。

便秘になった時は水分を多めに摂るようにし、果物や食物繊維の多い野菜などを少し増やしてみてください。おやつにヨーグルトや乳酸飲料を摂ってもいいでしょう。軽い散歩などの運動や腹部マッサージを取り入れても良いでしょう。便秘になると腸閉そくを起こしやすくなりますので、便秘の予防が重要です。

お酒やコーヒーなどは飲んでもかまわない?

退院後しばらくはアルコール飲料を控えましょう。その後、順調に回復すればアルコールを飲んではいけないということはありませんが、飲み過ぎには注意が必要です。少量の晩酌程度にとどめ、休肝日を設けるなどして控えめに。飲酒するとどうしても食べすぎたり、食生活が乱れたりするので気を付けましょう。

また、コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを多く含む飲み物も飲み過ぎないように。カフェインには利尿作用があるため、摂りすぎると脱水症状を引き起こすことがあります。コーヒーや紅茶を楽しみたいときにはカフェインレスのものがおすすめです。

外食する時の注意点

気分転換を兼ねて、たまには外食やデリバリーの食事を楽しむのもいいでしょう。ただ、外食やデリバリーの機会が増えると食事バランスの崩れにつながるのでほどほどに。特に中華料理やファストフードなどは油脂類を多く含む料理が多いので注意が必要です。食材を豊富に使ったメニューの中から、なるべく油脂類や香辛料の少ないものを選びましょう。

手術後に気をつけなければいけない病気は?

大腸の手術後に腸管が癒着して腸閉塞を起こすことがあります。腹腔鏡手術の割合が増えてきたため、発生自体は減っていますが、それでも一定の割合で起こります。腸管が麻痺し、食事ができなかったり嘔吐したり、イレウスという症状が起こることもあります。手術後、は特に体調不良や身体をいたわるあまり、気づかないうちに身体活動が減少していることが多いです。主治医と相談の上、できるだけ早い時期からからだを動かすなどして予防に努めましょう。

大腸がんの手術に限ったことではありませんが、手術後に長時間脚を動かさないことが原因で、いわゆるエコノミークラス症候群と呼ばれる急性肺塞栓症(はいそくせんしょう)によって足の静脈にできた血栓が肺動脈を詰まらせることがあります。圧迫ストッキングや圧迫ポンプの使用、足の運動などで予防します。

高齢者の場合、入院期間が長くなると、飲食物を誤って気管に飲み込むことが原因で起こる誤嚥性肺炎にも注意しなければなりません。

【参考文献】
「国立がん研究センターの大腸がんの本」(小学館)
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」
※別ウインドウで開きます

Hatch Healthcare K.K.

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