• 食道がん・食道腫瘍

2018年2月 診断

バリウム検査後3日で食道がんと診断

※本記事は、個人の体験談です。患者さんの体験談を元に記事にしており、本文中に具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や、治療効果は、個人個人で差がありますので、すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。


私はシステム開発を行うIT企業で正社員として働いてきました。もともとはシステムエンジニアでしたが、現在は総務部に異動。7人の部署で100人ほどの事業所を総務としてサポートしています。経理まわりから労務管理、さらにはビル管理なども担当しています。

就職してからこの会社一筋です。

がんの罹患前は、9時に出勤し17時に退社。管理部署ということもあり、残業は少ない環境で、身体への負担はあまりありませんでしたし、年次有給休暇も取れる環境でした。

総務ということもあり、休職している社員と関わる機会は多かったです。

社内では精神の不調で休む社員が少なくありません。私の部署でも、1年ほど休職した後復帰した同僚がいます。総務部は、そうした社員が復帰後にやってくるということが多いと感じていました。現場のエンジニアとして働くとなると、社外交渉がありますし、納期間際になると遅くまで残業することが多くなり、やはりストレスフルです。そのため、復帰後は総務を担当するのが慣習でした。

復職した同僚のなかにがんの人はいませんでした。「あの人がいま休んでいる」といったことが耳に入ることがあっても、具体的な病名などの情報まではわからなかったです。

このときには、まさか自分ががんに罹患し休職や復職を経験することになるとは思ってもみませんでした。

私自身、診断を受けるまでがんの自覚症状は全くありませんでした。飲酒は毎日していましたが、健康診断での肝臓の数値も問題なく、安心してアルコールを飲んでいました。身体のだるさも感じたことはありませんでした。


健康診断で食道がんの疑い、その3日後に診断を受ける

2018年2月、食道がんと診断されました。

2月下旬に、会社の健康診断でバリウム検査を受けました。その翌日、産業医から電話があり再検査の指示を受けました。

そこでバリウム検査の3日後には内視鏡での精密検査を受けました。この時点で食道がんの疑いを指摘され、その足で産業医の元勤務先の専門医に診てもらうことに。

内視鏡検査の結果を前年と比較すると、明らかに違いがあったんです。食道のところに、ぼこっとした3センチほどの腫瘍ができており、急遽赴いた病院で専門医から「がんですね」と言われました。

私が診断されたがんは「食道胃接合部がん」というものでした。最初にがんと言われたときはびっくりしましたが、先生がとてもロジカルにお話する方で、具体的な検査項目をすぐに上げてくれて治療方針なども説明してくれたため、徐々に心も落ち着いてきて、安心することができました。それは大きかったと思います。

バリウム検査を受けてからがんと診断されるまでわずか3日というスピード診断。前年の健康診断では全く問題なかったので、1年でそこまで悪化していたことに驚いてしまいました。

その後、CT・MRI・PET・超音波・超音波内視鏡検査、などを1~2週間ほどかけて受けました。


食道がん診断後、すぐ上司と妻に報告

がんと診断されたその日に、会社と妻に伝えました。

会社には保健師さん経由で伝えてもらうことにしました。社内にヘルスケアルームという部屋があり、保健師2名が勤務しています。そこでがんになったことを伝え、人事部など関係部署への報告を、保健師さんからしていただくことにしました。

同僚には上司を通して伝えてもらいました。私ががんであることを知った上司は驚いていたようですが、淡々と説明を聞いていただきました。上司の上役に報告いただくことや、同僚にも私の不在時に病名も含めて説明するようお願いしました。あえて私のいないところでの説明をお願いしたのは、そこでみんなに悲しそうな表情をされるのが耐えられなかったからです。

自分自身ががんであることを認めたくなかったわけではないのですが、今考えると「がん」という言葉が与えるインパクトの大きさが心配だったのだと思います。みんなに説明できるほど、自分自身も気持ちの整理がまだついていなかったこともあるかもしれません。

妻にはまずメールをし、帰宅してからあらためて、これからの検査の予定などきちんと話しました。

友人らにはSNSで病名を公表、治療中は経過を伝えていました。SNSはもともと頻繁に使っていました。伝えづらいところはありましたが、治療で連絡が取りづらくなることも考え、正直に説明しました。


主治医のロジカルな面に好感を持つ。関係は終始良好

がんの診断を受けた病院でそのまま治療することになりました。主治医とのコミュニケーションは終始良好でした。検査などをスピーディーに進めてくださるところでまず好感を持っていましたが、お話がロジカルでとてもわかりやすい方なんです。

私自身、もともとはシステムエンジニアだったこともあり、感情よりも論理の方に比重を置いているところがあります。患者さんの中には、論理よりも気持ちに寄り添ってほしいと感じる方もいると思いますが、私の場合はロジカルに説得してもらったほうが納得できます。そういう点で、主治医とは性格がかみ合ったのだと感じました。

主治医はロジカルだといってもドライな性格の方というわけでもなく、外来や手術で大変お忙しいにもかかわらず、こまめに私の病室に顔を出してくださることがあり、頭が下がる思いでした。

診断

化学療法

2018年2月に食道胃接合部がん罹患が判明。胸腔鏡下での食道全摘・胃温存回結腸再建術を受ける。術後には原因のわからない嘔気発作が続いた。がんの手術や嘔気発作で計6回の入院。仕事に関しては、時短勤務を経て、2020年4月よりフルタイムで勤務。現在は会社勤めの傍ら、食道がん患者会や図書館ボランティアなど活動の幅を広げている。(インタビュー・掲載時の情報です)

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