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  • 食道がん・食道腫瘍

2018年10月 時短勤務

嘔気発作は続くも、同僚の理解も得て仕事に復帰

※本記事は、個人の体験談です。患者さんの体験談を元に記事にしており、本文中に具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や、治療効果は、個人個人で差がありますので、すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。


食道を全摘し、下痢をしやすくなりました。ただ、生活に支障が出るというレベルではありません。2018年8月に予定をしていたものの延期になっていた復職計画ですが、10月に復帰することになりました。

復職に際しては産業医、保健師との3者面談を行い、ゴーサインを出していただきました。

産業医の先生は優しい方で、食道がんに罹患した人はあまり食べられないし、身体の負担もあると、復職後1年ほどは通勤ラッシュを回避して10時-16時半の時短勤務ができるよう、診断書を書いてくれました。

とはいえ電車を使った通勤を伴うため、ヘルプマークを使っています。基本的には人に見えないようにしていますが、身体が辛くなってきたときなどには優先座席に座り、出すようにしています。

10月に時短勤務で復職し、真っ先に足を運んだのは保健師さんのところ。総務という部署の性質上、日頃から懇意にしており顔見知りでした。そのため、復職後最初に行ったのです。

それからちょうど1年が経った2019年の10月。ちょっとした人事上のトラブルがありました。他の部署で急に退職者が出たため、その人の代わりが必要に。業務量に余裕があったこともあり、私が引き受けることになりました。

ところが、代わりに入った仕事は残業量が多く、さらに自分の都合で休みをとれないような環境でした。その部署のリーダーに事情を説明し、残業ができないことは伝えていたのですが、どうもそれが上手く伝わっていなかったようで、いざ始まって1週間ほどでこれは無理だと感じ、業務を減らしてほしいとお願いしました。

年度末、直属の上長との評価面談の際、こうしたトラブルを機に、私に降格の話が出ていたことが明かされました。2週間後に役員面談が控えています。納得できなかった私は、社会保険労務士(社労士)に相談できることを調べ、アポを取り付けすぐに相談へ。私が相談したのは、がん患者の就労相談を担当されている方で、がん罹患後の降格などトラブル事例についてもよく知っている方でした。がんを理由に降格された事例があるのかを聞くと、ないとの回答。役員面談には診断書を持参。実際に話すことはありませんでしたが、社労士に聞いたアドバイスも念のため準備していました。

結果、年度が替わっても降格されることはありませんでした。こうしたトラブルが起きた原因は、人事と異動先の上長との情報伝達がうまくいってなかったことが原因だったと思います。

時短勤務と復職後のトラブルに巻き込まれてしまいましたが、なんとか降格は免れることができました。がんは大きな手術をしたり副作用に苦しんだりしていても、本人のつらさがなかなか他人にわかってもらいにくい病気です。病気と付き合いながら復職、就労を続けることは、がんを経験したことのない方では想像がつかない困難さがあります。私は業務量の調整や休みを取ってコントロールすることでがんという病気と向き合うことができていました。どうしても解決できないときには、私のように社労士、キャリアカウンセラーなどの専門家に相談してみるのも良いと思います。

時短勤務を続けながらも、たまに嘔気発作は出ていましたが、総務部なので会議があっても相手は同僚がほとんどです。同僚には発作について説明し、理解は得られていましたので、特に心配はしていませんでした。

社内では嘔気発作について明かしています。発作が出たら入院し、点滴をしながらおさまるのを待つしかないということまで、全て正直に伝えました。

一度に食べられる量が少ないため、1日6食食べなければならず、会社でも間食を摂る旨も周囲の同僚に理解してもらっています。自分のロッカーには栄養補助食品を常備し、毎日食べています。会社の周囲の人にそうした事情を理解してもらえているのは良かったです。

最後に嘔気発作で入院したのは、2018年12月の年末年始。それ以降は現在に至るまで発生していません。この時は年末の30日に緊急搬送されて入院し、一時落ち着いたので一旦帰宅しましたが、大晦日に再度緊急搬送することに。結果的に年をまたいで2019年、年始の休暇いっぱいまで入院していました。

術後の副作用なのかどうかも分からずじまいでしたが、結局、時間の経過とともに嘔気発作はおさまっていったように思います。


食道がん罹患を両親にはすぐ伝えなかった理由

上司や妻にはがんについてすぐ伝えていたものの、遠方に住む両親には、診断翌年の2019年になるまで明かしませんでした。

2022年で父親が86歳、母親が81歳になります。母親は運動機能に軽い障害があり、現在はケア付きのマンションに住んでいます。

そのように高齢の両親です。私が一人っ子ということもあり、病気について話すと心配するでしょう。説明しなかったのは、物事がはっきりするまで余計な心配をかけたくない気持ちがありました。

2019年に伝えることになったのは、父親が肺炎で入院したことがきっかけでした。母親から電話で顔を出してほしいと言われたのですが、どうしても今はお見舞いに行けないと告げるとき、病気について話さざるを得なくなったんです。そんなきっかけがなかったら、未だに両親には黙っていたかもしれません。

Hatch Healthcare K.K.

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