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  • 食道がん・食道腫瘍

2018年5月 手術

術後のQOLも考慮し食道全摘・胃温存回結腸再建術に臨む

※本記事は、個人の体験談です。患者さんの体験談を元に記事にしており、本文中に具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や、治療効果は、個人個人で差がありますので、すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。


5月中旬に胸腔鏡下で食道全摘・胃温存回結腸再建術を受けました。

抗がん剤治療は当初3クールの予定でした。しかし、2クールを終えたところで、がんが想定よりも早めに小さくなっていたのです。リンパ節へ転移していた3つのがんも、同様に小さくなっていました。そこで2クールで切り上げ、予定より1ヶ月弱はやい5月に手術することになりました。  

手術の前々日には、妻、成人した長男、挙式を控えた次男夫婦とともに、手術直前の説明を受けました。先生と直接やり取りするのは私で、他の家族はそれを聞いているだけでしたが、直前説明への立ち合いで、私が受ける手術に対する認識を家族で共有できたのはよかったと思います。

一度は胃温存回結腸再建術にすることを決めたものの、細かい手術方法の違いについては決めきれていない部分もあったため、メリット、デメリットの説明を受けてその場で決断することに。

具体的には、食道再建に胃管を使うのか、それとも回結腸を使うのか、という決断をしなければなりませんでした。

胃管は手術時間が短く身体への負担は少ないが、逆流リスクが高いということでした。

回結腸は手術時間が長く、下痢が起こりやすくなるそうです。ただ、術後のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)のことを考え、回結腸で行うことにしました。

手術は食道の全摘と再建を同時に行うもので長時間に及びました。手術自体は12時間ほどかかったようです。朝8時に手術室に入り、ICUで目が覚めたのが22時ごろ。麻酔が切れた時には14時間経過していました。


食道がん術後の原因不明の嘔気発作

術後翌日から歩くように指示され、点滴スタンドを引きながら病棟内を歩いていました。点滴が外れてからは、許可をもらった上で外出することも可能になりました。

食事については、術後しばらくは経口摂取が困難であったため、栄養を補う目的で腸ろうを付けていました。腸ろうは十二指腸に造設され、そこから直接栄養剤を入れていました。

1週間後に嚥下造影検査。レントゲンを撮りながらバリウムを飲み、再建の接合部分から漏れがないかを確認するものです。OKをもらい、それ以降、水、ゼリーなどの摂取から始め、とろみ食やミキサー食を食べていました。

運動機能のリハビリとして筋トレなどを行いました。食道を摘出したものの、喉頭部については問題がなく、言語聴覚士(参考:一般社団法人日本言語聴覚士協会 )の方による水飲みテストやリハビリなどはありませんでした。

食道の手術では声帯の神経に影響が出てしまい声が出にくくなるという方もいるそうですが、私の場合はそうした影響はありませんでした。しかし、この頃から原因不明の嘔気発作(吐き気が続くこと)が起こり始めました。

最初は、外出許可をもらって週末に公園を散歩しようとしたときです。突然、嘔吐の発作が始まり、食べたものは出てこないのですが、ずっと吐き気が続きました。

予兆などはなく、食べている最中に起きることもあれば、夜寝ようとしているときに起きることも。それが1週間ほど不定期のタイミングで起きて生活に支障が出ていたため、精密検査を受けることになりました。

MRIも撮って調べたのですが、そこで脳の動脈にコブのようなものが見つかり、脳動脈瘤の疑いが浮上。その後も詳しく調べたのですが脳は問題なく、結局、嘔気発作の原因はわかりませんでした。

私のような症例は他にはなかったそうです。その後もたびたび嘔気発作に苦しめられましたが、ほかに異常はないことから6月中旬に退院となりました。

Hatch Healthcare K.K.

化学療法

手術

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