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2007年10月 職場復帰

順調ではなかった職場復帰。ガスの排出と排便の問題を解決できず退職へ

タクシー通勤で職場復帰するも、ガスの排出と排便に苦労

手術から2か月が経過した頃に職場復帰をしました。ただ、体力面、特に歩行に関してまだ不安が残っていました。朝晩と散歩をしていましたが、まだゆっくりとしか歩けないような状態。腹部を切ったことで歩き方も少し前傾姿勢。徒歩通勤ができるほどには回復していませんでした。

ただ、職場に絶対復帰すると心に誓っての退院でした。そこで通勤はタクシーで行うことに。幸い自宅から会社までは車であれば15分程度の距離。歩いて通勤できるようになるまではタクシーで通うことにしました。

通勤の問題は交通手段で解消したものの、職場での仕事復帰は順調にはいきませんでした。理由はガスの排出と排便の問題です。入院中や退院後、家で静養していたときはそれほど不便に感じてはいませんでしたが、職場ではどちらも苦労しました。

突然の便意…コントロールができず会議を抜け出すことも

それまでガスや排便で全く苦労しなかったわけではありません。入院中は看護師さんに定期的に紙パンツを履かせてもらっていましたし、退院後も市販の紙パンツをドラッグストアで購入し、自分で履いていました。

職場でのガスと排便、これらが全く予想もコントロールもできませんでした。ガスは自分でも不思議なくらいの回数が出るように。音も大きく、匂いも…。会議中も当然出ますし、音やにおいで出席者にわかってしまうのですが、自分でコントロールすることもできませんでした。

排便もいつ来るかわからず、突然便意がやってきてトイレに駆け込んだことも一度や二度ではありません。しかも、一回トイレに行ったら終わりではなく、5分おき10分おきに便意が来て、5、6回トイレに籠らないといけないような状況。1回のお通じが終わるのに、1~2時間かかるようになりました。

会社に行って会議に出るとガスは出るわ、急に便意が来てトイレのために中座するわ。非常に辛かったです。

もしかしたら、普段通りの食生活に戻ったことが大きかったのかもしれません。通常の食事によって胃腸が活発に動きはじめたのだと思います。職場復帰をして初めてこういうことが起きるんだと知りました。

長時間のフライトが難しく海外出張を断念。最終的には退職へ

当時、私は営業の責任者を務めていました。本来であれば、役職者として決済者に会うために全国を飛び回ることも仕事でしたが、それができなくなってしまった。がんに罹患する前は、週に2回ほど北海道から、九州、沖縄まで全国津々浦々を飛び回っていました。もちろん海外にも。

ちょうど12月初旬に海外で全社ミーティングがあるんです。でも当時の自分にとっては長時間のフライトが難しく、参加できませんでした。すごく残念でした。

正直言って、排泄の問題はものすごく大きかったです。便意がいつ来るかも全く想像できないし、止められない。これではもう仕事をやってられないなという気持ちになりました。当時の私は50代半ば、もう今の仕事は潮時なのかなと感じるように。

最終的に自ら社長に退職を申し入れました。社長は、配置転換も含めて慰留をしてくださいましたが、どの部署へいっても同じ問題がついてまわることが分かっていたので丁寧にお断りしました。このまま働き続けるのであればきちんと時間をとって自分の体と向き合い、今後の人生についてゆっくり考えた方がいい。そう心に決めていましたので、思い切って3月末に会社を辞めました。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

新型コロナウイルスの影響によりテレビ会議を用いて取材を行ったため、写真は後日追加予定です。

退院

職場復帰

自宅療養

取締役として大きな重責を担っていた2007年に大腸がんが発覚。強い意志をもって早期の職場復帰を目指すも、術後後遺症のために辞職することに。一年の自宅療養を経て社会復帰し、新規事業の立ち上げ業務で活躍。罹患後に飼い始めた愛犬とは今でも欠かさず、朝晩の散歩をしている。

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