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がんについて知る

がん診断後の過ごし方

一人暮らしでがんと診断されたら

目次

  1. 医師に診察を受けるときの注意点
  2. お金や仕事のこと
  3. 入院・手術が決まったら
  4. 退院後や通院治療中の暮らし

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医師に診察を受けるときの注意点

一人暮らしでがんの治療に取り組むのは、なにかと不安が多いものです。ポイントは、できるだけ周囲に頼ること。まずは、病院の「がん相談支援センター」などの相談窓口で、わからないことや、不安なことを話してみてください。窓口のスタッフは、多数の患者さんに接した経験があり、病状や社会制度、そして患者さんの気持ちにも通じています。

治療についての大きな見通しをつけることができるでしょう。また、病院の中にはがんを専門にした看護師や薬剤師、栄養士やリハビリ専門職もいます。相談支援センターのスタッフともに対応してくださいますので、声をかけてみると良いでしょう。

病状や治療について担当医の診察を受けるときは、家族や身近な知人などに、できれば同席してもらってください。1人のときは、必ずメモの用意を。メモを取りながら聞くと、医師もその速度に合わせてゆっくり話してくれるので、聞き漏らしや聞き間違いを防ぐことができます。あらかじめ断ったうえで、説明を録音してもいいでしょう。希望をすれば、看護師などに同席をしてもらい一緒に話を聞いてもらうこともできます。

しいていえば同居する家族に気を遣わなくてもいいという点はありますが、一人暮らしでの治療は気持ちを1人で抱え込みやすいので、症状や治療について気軽に話せる相手がいるといいと思います。対面だと互いに気をつかってしまうという人は、電話やメール、SNSを使うなどの方法を試してみてはいかがでしょう。患者会などへの参加も考えてみてください。最近では、チャットでがんに関わる相談を受けるサイトもあります。(国立がん研究センター「がんチャット相談」(外部サイト)

お金や仕事のこと

病状に次いで不安になるのは、お金や仕事といった生活のことでしょう。治療費については、高額療養費制度と限度額認定制度を使えば、月々の支払を一定の限度額内に収めることができます。治療により一時的に収入が途絶えるといった場合には、「生活福祉資金貸付制度」など生活を支援するさまざまな社会制度があるので、これらについても病院やがん相談支援センターに相談をするといいでしょう。

仕事に関しては、正社員、非正規雇用、自営業、個人事業主など働き方によって心配事もそれぞれ異なることでしょう。治療と仕事との両立については「がんの治療と仕事の両立はどうすればよい?働く人が確認しておきたいこと」「派遣やアルバイト・パートなどの非正規雇用のがん患者さんの仕事とお金について」、会社の制度については「がん治療療のための上手な休みの取り方は? 知っておきたい会社の制度」を参照してください。

入院・手術が決まったら

通常、入院は「診断」→「入院申し込み」→「入院」→「手術」→「退院」という手順で進みます。入院についてわからないこと、不安なことがあれば、入院申し込み時に主治医や看護師、入院窓口で相談できます。入院申し込み時、入院当日、そして手術にも立ち会ってもらえる人がいれば依頼をしておきましょう。退院をするときも同様です。

入院には身元保証人(身元引受人)が求められるのが一般的です。その役割は、本人が意思表示できないような場合の治療や処置の判断、緊急時の連絡先、治療費の保証などです。実家の家族や近しい知人などに頼むことができればいいのですが、もしそのような対応が難しい場合は、行政書士や民間のサービスを頼むことになります。病院で紹介をしてもらえることもあるので、相談してみてください。

入院が決まったら、しばらく家や部屋を空けてもいいように準備をします。できるだけ要らないものを捨てて、整理しておくことをお勧めします。また、郵便ポストが溢れないように、郵便や新聞の手配をしておきましょう。

    郵便物は郵便局に不在登録をして預かってもらう。(不在登録については、郵便局の「不在届のご提出について」(外部サイト)をご覧ください。)
    新聞や定期刊行物があれば一時的に止めてもらう。
    冷蔵庫は中身を整理し、できれば電源を切れる状態にしておく。他の電化製品もできるだけコンセントを抜いておく。
    ゴミを出しておく。
    レンタルビデオや、図書館から借りた本を返しておく。
    ペットの預け先の確保。知り合いに預けられればいいのですが、そうでなければペットホテルやクリニックを利用します。

鍵を預けられる家族や知人がいれば、定期的に部屋の様子を見てもらうよう依頼しておくと安心です。

入院中、体を動かせるようになれば、病院内の浴室やコインランドリー、売店などを利用することができます。パジャマやタオル類はレンタルサービスの利用もできます。また通信販売で、病院あてに品物を届けてもらうことも可能です。

退院後や通院治療中の暮らし

退院後や治療中は思いのほか体力が落ちていて、身の回りのことで1人でできることが限られるかもしれません。家事の省力化を考えてものの配置を変えておくなど、事前にできることがあれば準備をしておきましょう。

ここでもポイントは、周囲に頼れることは頼ることです。家族や知人の手を借りるほか、状態によっては65歳以下でも介護保険を利用できることがあるので市区町村に問い合わせてみるといいでしょう。また、市区町村の「シルバー人材センター」でも家事の支援をしています。民間の家事代行サービスや食事の宅配サービスなどを利用することもできます。希望される場合は、相談支援センターに相談すると良いでしょう。

「傷病手当金」や「障害年金」といった生活を支援する社会保障制度を調べ、該当するものがあれば積極的に活用します。不明な点があれば「がん相談支援センター」に相談をしてください。また、民間の医療保険に加入しているのであれば、早めに手続きに入ります。手続きに必要な書類を病院で用意してもらうには1カ月ほどかかります。そのほか、住まいの近くの「かかりつけ医」「かかりつけ薬局」を決めて、体のことについて相談できる人を増やす工夫もしてみることをお勧めします。

「傷病手当金」や「障害年金」などの社会的精度や保障については「がん治療で長期間仕事を休むとき、知っておきたい『傷病手当金』のこと」、「がんにかかったら『障害年金』『老齢年金』『国民年金もチェックしよう』」、「がん治療で生活に困ったとき、支えてくれる公的制度」などの記事も参照してください。

また、1人でいると気持ちが落ち込むこともあるかもしれません。誰かと何気ないおしゃべりをする、集中できる趣味に取り組むなど、気持ちを病気から紛らわすことができる方法を見つけておきましょう。患者会(CSRプロジェクト(外部サイト)マギーズ東京(外部サイト)など)やインターネットの掲示板なども頼りになるかもしれません。
 

Hatch Healthcare K.K.

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