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  • 肺がん・肺腫瘍

2013年12月 抗がん剤

治療前に精子の凍結保存を行った

2013年12月、抗がん剤治療を開始しました。再発していなくても抗がん剤の投与を行う維持療法と呼ばれるものです。

実はこのとき、抗がん剤治療についての説明を受けるタイミングで、主治医から精子の凍結保存を提案されました。当時私は36歳、主治医は「鈴木さんはまだ若いし、この先また家族が欲しくなるかもしれないよね」と、精子を凍結保存しないかと言われたのです。

というのも、私がこれから始める抗がん剤治療は、妊孕性(にんようせい)に影響が出るのだそう。自分の頭の中には精子を凍結保存するという発想はありませんでしたが、たしかに元気になったら……と考え、主治医の勧めに従うことにしました。

このときの主治医にはすごく感謝しています。確率的には治る見込みが薄いのに、手間がかかることをやってくれた。

もし前の病院であれば、精子の凍結保存の話もなかったと思います。もちろん転院先の産婦人科が進んでいることも起因しているとは思いますが、それでも本当に、患者に希望を与えてくれたなと。私にとってこの転院は転機だったと思います。


抗がん剤の副作用は気持ち悪さと倦怠感

精子凍結の話が出た次の日に院内の産婦人科で処置をしていただき、その次の日から抗がん剤治療を開始しました。

治療方針は、3種類の抗がん剤を4クール行った後に、1種類だけ抜き、残りの2種類で行けるとこまで行こうという話でした。

抗がん剤の副作用としては、最初の4クールだけ使用していたものがきつかったです。吐くほどではありませんでしたが、気持ち悪さと倦怠感がありました。投薬から1週間位はずっと気持ち悪さがあり、食欲もなかった。他には便秘の症状もありました。イメージしていた通りの副作用が出ました。

維持療法の最中にも脳への転移があった

最初の4クールが終わり、薬を2種類に減らしてからは、3〜4週間に1回投薬する生活が続きました。この維持療法は1年半程続きました。

維持療法は、基本的には耐性ができて効果がなくなったら薬を変える人が大半だと思います。私の場合は1年半程行い、何も病変がなかったので一度休薬したのです。

その途中、何回か脳転移がありました。その度にガンマナイフで放射線治療をするために2泊3日で入院。合計で5回転移しましたね。

副作用については、最初はそこまできつくなかったんです。最初の4クールだけ使っていた薬と違って、これならずっと続けられるなと思っていました。ところが長い間使っていると、だんだんボディブローのように効いてきて……かなりしんどくなってきました。

病変もなかったので休薬しましたが、止めたらまた半年位で悪化したので、やっぱり抗がん剤治療やらないと駄目なんだなと思い、投薬を再開しました。


副作用で2度目の休職

抗がん剤治療と並行し、フルタイムで仕事も続けていました。

その頃は抗がん剤治療を受ける日だけ会社を休んで通院するといった感じです。それ以外にも上司が融通きかせてくれて、少しだけ顔を出して、出勤扱いみたいな形にしてもらったり、副作用で気分が悪かったら、無理をせず家に帰らせてもらったり。柔軟に対応してもらえて助かりました。

とはいえ営業なので一番大事なのは営業成績。目標を達成していなければどんなに頑張っても評価はされません。なかなか出勤できないときもありましたが、会社に在籍できる程度の成績は出していました。

2014年10月、2度目の休職をしました。

副作用でかなり身体に影響が出ていたのと、家族との時間を大事にしたいなと思ったのが理由です。もともと仕事に生きがいを感じているタイプではありませんでしたが、その頃には今まで以上に、仕事よりも家族、と強く思えるほど優先順位は変わっていました。

この時にはもっと仕事を頑張りたいのに副作用でうまくいかない、といったような歯がゆさもありませんでした。やはりどこかで、奇跡なんて起きないという思いもありました。だからこそ、残された時間を仕事ではなく家族に使いたいと思っていました。
 

Hatch Healthcare K.K.

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