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  • 乳がん・乳腺腫瘍

2009年3月 抗がん剤

抗がん剤治療をはじめる。主治医はいろんな治療のメリット、デメリットをきちんと説明してくれた

告知から1週間後、治療に向けての準備がはじまりました。先生に治療方針を聞きに行くときも家族が付き添ってくれて、気持ち的にはさあ!行くぞ!といった感じ。実際に今後の治療について説明を受ける中で、私自身がその全容を理解しているかと言うとそうではなかったのですが、家族がとても詳しく調べてくれていたため、私は後から家族に噛み砕いてもらう形で情報共有をしてもらいました。そのお陰で治療方針などを決めるのにかかる時間は早かったですし、すんなりと意思決定できたと思います。

がんも抗がん剤治療も全くの想定外だった私にとって、抗がん剤治療は気負いや恐怖の対象ではなく、むしろ今の自分がやるべきことだという感覚でしたね。私の主治医はいろんな治療のメリット、デメリットをきちんと説明してくれたうえ、私の合意と納得を得ながら進めてくれました。特に印象的だったのが温存と全摘についての説明です。「温存か全摘かは自分の状態に応じて選べるものなんです。どちらを選択するかで予後が異なるなら医師は温存を勧めませんよ」と言ってくださったことは、治療方針を決める上で納得感のある説明だったなと今でも思っています。


抗がん剤治療を受けながら普段通りの日常生活を送る

まず最初の抗がん剤療法で、1泊2日の入院の後、通院治療を3ヶ月間続けました。治療開始後も家族が付き添ってくれて、通院しながらの点滴を3ヶ月行いました。

点滴で投与する抗がん剤は真っ赤な液体です。抗がん剤治療はとても辛く、投与後は告知前に感じた、胸をつねられるような痛みが走りました。医師からは赤いものがトラウマになる人もいるという話を聞きました。それが終わると薬の種類を変えて、別の抗がん剤投与のため、1泊2日による入院後、通院治療を3か月間続けました。抗がん剤治療中には特にやることもなかったので毎週通いました。

近くに住む家族の家事を担うなど普段通りの日常生活を送るように心がけた

抗がん剤治療は吐き気を伴うことが多いため、看護師さんからは「ごはん、6分目くらいに控えたほうがいい」と言われていましたが、私は一度目も二度目も吐き気がきませんでした。そのため抗がん剤治療の最中も、近所に住む姉の夕飯を作ったり、通院からの帰り道はスーパーマーケットに寄ったりなど普段通り日常生活を送っていました。

脱毛、爪の変色などの副作用があった一方で、抗がん剤の効果を実感

抗がん剤治療開始後、さっそく副作用で髪の毛が抜け始めました。1回目の入院で抗がん剤を投与後、だいたい3週間後くらいでしょうか、次の通院までの間に髪の毛が抜けたんです。髪を耳にかけようとしたらバサッと。それから1週間程で全部の髪の毛が抜け落ち、もう一生髪が生えてこないんじゃないかと不安になってしまいました。看護師さんに相談すると看護師さんは不安げな私に寄り添ってくれて、すごくホッとしたのを覚えています。

一方で抗がん剤の効果も感じており、髪の毛が抜けることも無駄ではないんだなとしみじみしてしまいました。他の副作用としては白血球の値が低下。体力が落ちている段階でしたので、抗がん剤治療開始後は人混みには行かないようにし、マスク着用を徹底していました。抗がん剤の影響で爪の色が真っ黒に変色してしまったほか、発疹が出たり便秘になったり、血管炎、関節の痛みがありました。発疹は同じ病院内の皮膚科に行ったり、関節の痛みは主治医に痛み止めを処方してもらったりと、その都度対応していましたね。

抗がん剤治療の過程で外見が変わることがつらかった

抗がん剤では髪の毛だけでなく、眉毛も抜けました。短い毛が抜けるときはとてもかゆく、ピリピリ、チクチクと不快でしたね。不快感に耐えられても、抜けていく髪の毛だけは自分の力ではどうにもなりません。そこで、カツラを複数個購入することに。普段の自分に近い髪型のほか、茶髪、おかっぱ、ショートカット、ロング、いろんな種類のカツラを計5個、ニット帽2個、ウィッグ付きの帽子を購入しました。高いものは5万円くらい、安いものは9,800円ほど。

手術で胸の外見が変わることもつらかったのですが、抗がん剤治療の過程で眉毛が抜けたことで顔の印象が変わってしまうことがつらかった。この時は眉毛をアイブロウで描いていましたね。

抗がん剤治療に極端な先入観を持たないで欲しい

抗がん剤治療をやってみて、正直なところ大変ではありませんでした。体の不調を感じることはありましたが、周りの人に比べてそこまで悪影響はなかったです。もちろん抗がん剤治療は辛いものでした。しかし、大変だと思わなかったと私が話すのには理由があります。ちまたでは抗がん剤について否定的な意見を持つ医師や著書など、様々な情報が溢れる中で、抗がん剤に対して極端な先入観を持つ方もいらっしゃいます。「がん自体には殺されないけれど抗がん剤に殺される」「自分は抗がん剤の対象でなくて良かった」実際にこのような意見を、放射線治療を通して知り合った仲間から言われたこともあります。でも、100人のがん患者がいればがんも100通り。抗がん剤に対して先入観で躊躇して欲しくはないんです。まずは冷静な気持ちで始めてみることが大事だと私は思います。

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。
 

Hatch Healthcare K.K.

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