• 胃がん・胃腫瘍

2018年3月 告知

育休中に胃がん発覚。告知時に転移の可能性も告げられた(41歳/女性/会社員)


外出先で吐血。倒れるほどのめまいにおそわれ救急搬送

胃がんの告知は、地域の中核病院。それも、外出先から緊急搬送された先で受けました。

身体が不調を訴えてから胃がんと判明するまでは、まさに突然の出来事でした。

当時私は3歳と1歳の子を抱えていて、ちょうど下の息子の育休中でした。いつも通りの昼下がり、家の中で普通に過ごしていたら下血の症状が出たのです。床にはサラッとして墨汁のような色の血。どこからの出血かを気にする余裕もなく、慌ててトイレに駆け込むと、便器の中には真っ黒な血が広がっていました。

「これは消化器官がやられているんだろうな」

頭の中はわりと冷静で、トイレを出てすぐに近所のクリニックに連絡。下血以外には身体の不調もなかったので、1週間後の内視鏡検査を予約しました。その日はそれで終わるかなと思っていました。

夜、夕飯を食べに娘を連れて近所の外食チェーン店へ。着いたときは全く問題はなかったのですが、頼んだ食事に口をつけようとしたタイミングで、突然吐き気におそわれました。娘に「お母さんちょっと気持ち悪くなっちゃったからトイレに行ってくるね」と告げて店内のトイレへ。

今度は吐血でした。昼の真っ黒な血とは違って、綺麗な鮮血だったのです。

一日に血を失いすぎたのか、貧血で倒れそうなほどのめまい。私は食事をしていたお店で救急車を呼び、直ぐに夫に連絡。駆けつけてくれた夫と娘の3人で救急車に乗り込み、地域の中核病院へ搬送されました。

搬送から10日間入院。出血の原因は胃潰瘍

搬送されてから10日間ほど入院しました。最初の3日間はHCU(高度治療室)に入っていたらしいのですが基本的には眠っていたようです。記憶もあやふやで、覚えているのは検査を受けたこととか夫が近くにいたことくらい。

後から聞いた話によると入院翌日に内視鏡での止血手術を行ったとのこと。胃からの出血を止めるためだったそうです。出血の原因はすぐに胃潰瘍と告げられました。残りの日数はなぜ胃潰瘍になったかを調べるためにいくつもの検査を行いました。あまりにも検査項目が多いので、なにか悪い病気なのだろうと感じていました。

吐血の時点で悪い病気という覚悟はできていましたが、入院中は医師にも看護師さんにも、検査結果が出るまで自分の状態について聞くことができませんでした。

胃潰瘍の原因は胃がん。転移を疑っていると告げられた

がんと診断されたのは退院前日の入院9日目です。夫と診察室に入ると若いお医者さんが一人。止血手術をして下さった医師だそうで、胃潰瘍は胃がんが原因と告知を受けました。

淡々とした説明の仕方が印象的な医師で、がん専門病院への紹介状を書いて下さったのですが、その医師とはそれっきりでした。

詳しい話は隣の診察室にいらっしゃった別の医師に聞きました。その医師は、紹介して頂いたがん専門病院から週1回だけ私が入院していた病院に外来で来ているようで、告知を受けた日はたまたま外来の日。告知して下さった医師がその場で繋いでくれたんです。

その医師からは率直に、転移を疑っていますと告げられました。四次治療までの説明を受け、一度退院してから再度精密検査を受けましょうと。この時点ではあくまで転移を疑われている段階でしたが、今思えば転移を前提とした説明だったように思います。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

新型コロナウイルスの影響によりテレビ会議を用いて取材を行ったため、写真は後日追加予定です。

告知

抗がん剤治療(ファーストライン)

ある日、突然襲われた下血と吐血で救急搬送。緊急搬送先の病院で胃がんの告知を受ける。ステージⅣのがんに罹患していることを知人や周囲の人に隠さず、応援してもらいながらの治療生活。治療と子育ての両立をしながら、毎日を過ごしているとのこと。

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