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前立腺がん

前立腺がん治療後の療養生活と経過観察

目次

  1. 治療後の日常生活で気をつけること
  2. 尿失禁を改善するリハビリテーション
  3. 経過観察の期間と頻度は?

前立腺がん治療後の療養生活と経過観察
治療後の日常生活で気をつけること

前立腺がんの治療中や治療後の日常生活では、「禁煙」「節酒」「バランスのとれた食生活」「適度な運動」「適正体重の維持」といった一般的な健康習慣を心掛けてください。できるだけストレスの少ない生活を送ることが大切です。「感染予防」にも留意してください。細かい注意点は、症状や治療の状況により少しずつ異なります。自身の体調をみながら、担当医とよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。

・監視療法中の日常生活
基本的に日常生活上の制限はありません。上記の健康習慣を心掛けましょう

・手術をした後の日常生活
基本的には食事や運動などの制限はありません。手術の副作用は主に尿失禁(尿もれ)と性機能障害です。尿もれに対しては、尿もれ用パッドや紙おむつを使用します。尿かぶれを予防するために、小まめなパッドの交換、シャワーや入浴を心掛けましょう。

・放射線治療の治療中・治療後の日常生活
基本的には食事や運動などの制限はありませんが、だるさ、食欲低下が起こることがあるため、無理せず過ごしましょう。排尿の症状は飲酒により悪化することもあるので、禁酒したほうがよい場合もあります。治療後に照射された部位の炎症、頻尿、排便時の痛み、排便時の出血や血尿などが起こることがあります。こうした症状が治るまでには数カ月から数年かかる場合もあります。あまり症状がひどいときは医師に相談しましょう。

・内分泌療法(ホルモン療法)や化学療法の治療中・治療後の日常生活
基本的には食事や運動などの制限はありませんが、だるさ、食欲低下などさまざまな副作用が起こることがあります。症状がひどいときには医師に相談しましょう。

・性生活・妊娠について
治療中は避妊しましょう。治療法によって性生活・妊娠へ与える影響はさまざまです。妊娠を希望する場合は治療を始める前から担当医とよく相談しておくといいでしょう。

尿失禁を改善するリハビリテーション

治療に運動(リハビリテーション)を取り入れることで、生活の質を保ち、治療前の生活により近い日常生活を送ることができます。

・尿失禁に対するリハビリテーション(骨盤底筋体操)
尿失禁を改善するためには、尿道周囲の筋肉を鍛える骨盤底筋(こつばんていきん)を鍛える体操が効果的といわれています。骨盤底筋体操は治療後だけでなく、手術を予定している人は、手術を行うと決めたときから実施することが勧められます。

    あおむけ、または四つんばいなどの体勢をとる
    意識して肛門をキュッと締め、5つ数えて緩めるという動作を繰り返す
    1セット10~20回程度で1日4回を目安に行う


骨盤底筋体操(あおむけ)

①    あおむけに寝ます
②    腰を上げながら肛門をきゅっとしめ、5つ数えて腰を下ろすとともに肛門を緩めます
前立腺がん治療後の療養生活と経過観察。尿失禁を改善するリハビリテーション日本がんリハビリテーション研究会編「がんのリハビリテーションベストプラクティス(2015年)」(金原出版)より

骨盤底筋体操(四つんばい・座位・立位)
四つんばい、椅子に座る、机に手をついて立つなどの姿勢で、肛門をキュッと絞め、5つ数えて緩めます。
 前立腺がん治療後の療養生活と経過観察。尿失禁を改善するリハビリテーション前立腺がん治療後の療養生活と経過観察。尿失禁を改善するリハビリテーション日本がんリハビリテーション研究会編「がんのリハビリテーションベストプラクティス(2015年)」(金原出版)より

これ以外にも、排尿を途中で止めたりする訓練も尿失禁の改善に効果があります。また、散歩などの運動を積極的にすることも、骨盤底筋の強化につながります。

経過観察の期間と頻度は?

病状にもよりますが経過観察は、治療後2年間は3カ月ごと、それ以降2年間は6カ月ごと、その後は年1回程度受診するのが一般的です。必要に応じて診察、PSA検査、画像検査などを受けます。

もしも再発した場合でも、早めに見つかれば治療法の選択肢が広がります。気になる症状がある場合には、ためらわずに担当医に相談しましょう。

【参考文献】
「前立腺がん より良い選択をするための完全ガイド」(講談社)
国立がん研究センター がん情報サービス 前立腺がん(外部サイト)
※別ウインドウで開きます

Hatch Healthcare K.K.

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