※本記事は、患者さんの体験談であるため、具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や治療効果は、個人差があります。すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。
「時間のある病気」だからこそ悩んだ。でも、すべてはためになる経験だった
現在、手術から約3か月が経ちました。
私の場合は甲状腺の切除が半分で済み、手術後もステージIの判定のままで追加の治療も不要でした。今後は半年に1回程度CTを撮って経過観察をしていきます。
がんの治療というと多額の治療費がかかるイメージを持っていましたが、私は入院して手術を受けたにもかかわらず、高額療養費制度もあり、想像していたほどの医療費がかからなかったのも助かりました。
振り返ってみて一番不思議な感覚を持つのが、私は「自覚症状が一切なかった」ということです。
がんの告知から手術を終えた今日まで、一度も身体の不調を感じたことがありません。手術の直前の11月に人間ドックを受けましたが、すべての項目がA判定でした。
妊活で甲状腺の検査をたまたましなければ、今でも気づかずに過ごしていたかもしれません。
不妊治療のクリニックでも甲状腺のクリニックでも「念のため」と言われましたが、絶対に検査が必要と言われたわけではありませんでした。自分で検査をすることを判断したことが、がんの早期発見につながりました。
がんという病気は、心筋梗塞や脳梗塞のように突発的に襲ってくる病気とは違って、猶予や時間を与えてくれる病気だと私は感じています。猶予があるからこそ悩んだり不安を感じたりしてしまう面もありますが、コロナ禍の生活が入院前の感染対策に役立ったように、全てのことが今後のためになる経験だったと、今は思っています。
「がんであろうとなかろうと、今は今でしかない」というのが、甲状腺がんを経験した私が思うことのひとつです。
明日交通事故に遭うかもしれないし、他の病気になるかもしれない。
それはがん患者でもそうでなくても同じです。だからこそ「今、この瞬間を大切に生きる」ということを、病気を通じて気づかせてもらいました。

「誰々さんのママじゃない私」として職場に戻る
来月、育休からの職場復帰を予定していて、今は子どもの慣らし保育期間中です。今日も子どもの体調があやしくて、保育園から電話がかかってくるか心配しながら過ごしています。一日中携帯を気にしながら生活するのがこんなに疲れるとは思いませんでした。
復職してからは仕事中もこういったことに気を遣わなければならず、ストレスに感じることもあるだろうと思っています。それ以上に、仕事に復帰することへの期待もあります。
育休期間中は「誰々さんのママ」として過ごす時間が大半でしたが、職場に戻ればママ以外の自分としての時間が戻ってくるのが楽しみです。
同じようにがんの診断を受けている方に伝えたいのは、「一人で抱え込まないで、誰かに話すだけで心持ちも楽になる」ということです。
がんは意外とメジャーな病気で、周りの人に相談してみると「実は私の身近にも」という話になることもありました。
身近な人の体験を直接聞くことで、ネットで得られる情報とはまた違った細かい話もできて、ためになることもあるかもしれません。