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  • 胃がん・胃腫瘍

2020年6月 現在

罹患後に変化した人生観。家族と仕事を大切にすると決断できた

新しい抗がん剤。仕方がないとはいえ脱毛は正直しんどかった

退院翌月から抗がん剤治療を再開しました。錠剤は同じものを服用し、投与する点滴だけ新しい薬に変更。この抗がん剤の副作用で脱毛の症状が出ると聞いていたので、少しだけ抵抗感がありました。

これまで容姿に影響が出る副作用はなかったので、仕方がないとは言え複雑な気持ち。ただ、抗がん剤治療、手術、胃の全摘まで行ってきた。ベストを尽くさないと絶対後悔しますからね。脱毛は一時的なものと割り切ろう!と気持ちを切り替えました。

脱毛は抗がん剤の初回投与から2~3週間後に始まると言われていて、実際に2週間は一切髪の毛が抜けませんでした。ひょっとしたら自分には当てはまらないかもと淡い希望を持っていましたが、2週間後から一気に髪の毛が抜けましたね。

これは抗がん剤が効いているのだと前向きに捉えようともしましたが、実際に自分の髪の毛が抜けていくのはしんどかったです。この時期は職場復帰もしていましたし、同僚からどのように思われているのかは正直気になりました。

同僚や取引先に胃がんであることを打ち明けた

これまで自分が胃がんに罹患し、治療中であることを職場の同僚には伝えていませんでした。ただ、胃の全摘によりダンピングの症状が出る可能性があること。食事に気を付けなければいけないこと。抗がん剤治療の副作用で、脱毛の症状がでること。これらのことは同僚には説明しておかなければいけないと、職場のメンバーに打ち明けることを決めました。

職場だけではなく、仕事で付き合いのある取引先などにも自分が胃がんであることを伝えました。伝える際には自分の現状に加え、過度な心配はいらないこと、人間ドックによって胃がんが見つかったことも話しています。意図としては定期的に検査を受けることの重要性を認識して欲しいからです。

自分だけはがんにならない、関係ないと過信するのではなく、無理のない範囲で自分の体の状況を知る。がんに限らず、生きていく上では健康が何よりも大事。ですから身をもって検査の重要性について説明している感じです。

点滴治療が終了。現在の目標は経過観察への移行

2020年1月末に、点滴での抗がん剤治療が終了。残りは錠剤の投与のみとなりました。こちらも9月中旬頃に投薬が終わる予定です。

全ての投薬が終了した段階で検査をして、再発していないとわかれば、経過観察のステップに移行します。今は早く経過観察に移れるよう、薬をしっかり飲んでいます。

治療方針について相談した外科医の友人には今でも定期的に状況を報告して、アドバイスをもらっています。身近に彼のような存在がいたことは本当に心強かったですし、助かりましたね。

大切なのは家族と仕事。がんを経験して人生観が変わった

私自身も様々な情報に触れてきた中で、がんに罹患して人生観が変わったという話をよく聞いてきましたが、確かに自分も変わりましたね。具体的には自分の人生における優先順位が明確になったこと、それ以外にも他人の目を気にしなくなりました。

がんに罹患する前は、どうしても他人との比較や人付き合いなどを気にして過ごしていました。家族との時間を十分に取れていたかというと、必ずしもそうではなかったです。でもがんに罹患したことで、変な見栄みたいなものはなくなりました。私の場合は、SNSもやめたし、無理に人付き合いをすることもやめました。

自分の中で大切なことは仕事と家族。この2つに集中していこうと決断できました。不必要な飲み会に行くこともなくなりましたし、アルコールも飲まなくなりましたね。

一日一日を大事に。自分にかかわる周りの人々に感謝

がんに罹患する前は、自分の人生はどこまでも続いていくようなイメージがありました。なんとなく過ごしていてもいいような気すらしていました。でも今は一日一日を大事に生きています。大切なことが何か、意識して行動するようになりました。

がんに罹患したことで、家族、前職の上司、現職で受け入れてくださった方々、自分に関わってくださっている周りの人々への感謝の気持ちが強くなりました。特に家族には感謝しています。もし自分一人であれば、このがんには立ち向かえなかったと思います。妻がいて、子どもがいて、一緒に病と闘ってくれたことが心強かった。両親や兄弟も転職のことでは行き違いがあったものの、やはり大切な家族です。自分のことをとても心配してくれて本当に感謝しています。

子どもに伝えたこともよかったです。公園で一緒にサッカーをしていた時、私がバランスを崩して転倒したことがありました。その時、子どもがダッシュで駆け寄ってきてくれて「パパ、お腹大丈夫?」と言ってくれたんですね。子どもなりに自分の病気のことを心配してくれて声をかけてくれたことは嬉しかったですね。

がんに打ち勝つのではなく、上手く付き合う

がんの告知を受けたときは、まさか自分が?と驚きました。転移がわかったときは正直酷く落ち込みました。当時の私にとってがんは恐怖の対象。ただ、がんに罹患したことを前向きに受け入れ、がんについて調べていくうちに、次第にがんの特徴がわかってきました。

がんは、自分の細胞から発生するものであること、すぐに死に至らしめる病ではないこと。偏った考え方かもしれませんが、プラスに考えれば、がんは人生を考え直す機会を与えてくれ、死への準備をさせてくれるものであるとわかりました。

抗がん剤治療を終え、経過観察になり、寛解を迎えたとしても、再発の可能性はあります。がんを敵対視し、打ち勝つ対象として捉えるのではなく、上手く付き合う対象と捉えた方がいいと今は考えるようになりました。

ストレスを溜めない、優先順位を付けて生活を送っていく。周りに流されることなく、自分自身の人生を生きていく。もちろん100%そのような日々が過ごせているかといったらそうではありません。ただ、毎日を漫然と過ごさず、精一杯生きる。そのような気持ちは罹患前に比べて確実に強くなりましたね。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

新型コロナウイルスの影響によりテレビ会議を用いて取材を行ったため、写真は後日追加予定です。
 

Hatch Healthcare K.K.

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